Claude CodeとCoworkを同じ作業で比べてみたら意外な結果に
■ Claude Coworkとは
2026年1月、AnthropicからClaude Desktopの新機能「Cowork」がリリースされました。一言で言えば、「開発者向けのClaude Codeを、プログラミング知識のない人でも使えるようにしたもの」です。
従来のClaudeチャットとの一番の違いは、あなたのパソコン上のフォルダやファイルに直接アクセスして、実際に作業を完結させてくれる点です。チャットのように「こうすればいいですよ」と説明するだけでなく、実際にファイルを読み取り、整理し、ExcelやWordなどのドキュメントを作成・出力してくれます。
Claude Desktopを開くと、画面上部に「チャット」「Cowork」「コード」の3つのタブが表示されるようになっています(2026年3月現在、Windows/Mac両対応)。
■ インストール方法と使い方
必要なもの
- Claudeの有料プラン(Pro以上)
- Claude Desktopアプリ(Windows / Mac対応)
- 処理したいファイルをまとめたローカルフォルダ
インストール手順
Step 1:Claude Desktopをダウンロード
Anthropicの公式サイト(claude.ai)にアクセスし、「Claude Desktop」をダウンロードしてインストールします。すでにClaudeをブラウザで使っている場合でも、Coworkを使うにはDesktopアプリが必要です。
Step 2:Claudeアカウントでサインイン
インストール後、アプリを起動して有料プランのClaudeアカウントでログインします。画面上部に「チャット」「Cowork」「コード」の3タブが表示されれば準備完了です。
Step 3:「Cowork」タブをクリック
「Cowork」タブを選ぶと操作画面に切り替わります。ここで指示の入力やフォルダのアクセス許可設定を行います。
フォルダのアクセス許可の仕方
Coworkがファイルを操作するには、対象フォルダへのアクセスを許可する必要があります。
- Cowork画面の「+」ボタン、またはフォルダ選択ボタンをクリック
- 操作を許可したいフォルダを選択
- 「許可」または「アクセスを許可する」をクリック
⚠️ 注意:許可したフォルダ内のファイルはClaudeが直接編集・削除できるようになります。大切なファイルが含まれる場合は必ずバックアップを取ってください。初めて使う場合は「一度だけ許可」を選ぶのをおすすめします。
実際の指示の出し方(プロンプト例)
フォルダを許可したら、あとは日本語でそのまま指示するだけです。コマンドや専門用語は一切不要です。
指示を書くコツ
- 「〇〇フォルダの中の△△ファイルを読み取って、□□してください」のように、場所・対象・処理内容を具体的に書く
- 出力形式(Excel・Word・PDF等)を指定する
- 「発行請求書と受取請求書を区別して」のように判断基準も明示する
プロンプト例①:請求書処理
「invoicesフォルダ内の請求書画像(JPG/PNG)をすべて読み取り、発行請求書と受取請求書を区別しながら、請求書番号・発行日・取引先名・税抜金額・税込金額・支払期限を抽出して、①集計表、②支払期限順のキャッシュフロー表の2つをExcelファイルで出力してください」
プロンプト例②:フォルダ整理
「downloadsフォルダ内のファイルを種類別(画像・Excel・Word・PDF)に分類して、それぞれのサブフォルダを作成し移動してください。実行前に分類プランを提示してください」
プロンプト例③:議事録整理
「meeting_notesフォルダ内のテキストファイルをすべて読み取り、各ファイルから『決定事項』『TODO』『担当者』『期限』を抽出して一覧表をExcelで作成してください」
注意点
- Googleドライブ・OneDriveには直接アクセスできません。対象ファイルは事前にローカルフォルダにコピーしてから使用してください
- Coworkはトークン消費量が多いため、使用制限に達しやすい場合があります。単純な質問はチャット、ファイル操作が必要な作業だけCoworkを使う使い分けが有効です
- 処理結果は必ず人間が確認してください。特に金額・日付などの数値は誤りが含まれる可能性があります
- 重要なファイルは必ずバックアップを取ってから作業してください
■ Claude CodeとClaude Coworkの違い
Claude・Claude Code・Claude Cowork 比較表
| 項目 | Claude(チャット) | Claude Code | Claude Cowork |
|---|---|---|---|
| 対象ユーザー | 誰でも | 開発者・エンジニア | 非エンジニア |
| 操作方法 | ブラウザ/アプリ上でチャット | ターミナル(コマンドライン) | デスクトップアプリGUI |
| ローカルファイル操作 | ❌ 不可 | ✅ 可能 | ✅ 可能 |
| Googleドライブ | ❌ 不可 | ✅ 可能 | ❌ 不可(VM制約) |
| 処理方式 | 会話型 | スクリプト自動生成・実行 | エージェント型(自律実行) |
| 複雑な処理 | △ 限定的 | ✅ 得意 | △ 単純処理向き |
| 使用トークン量 | 少ない | 普通 | 多い(計算集約的) |
ローカルファイルを直接修正して出力できる
Coworkの最大の特徴は、指定したフォルダ内のファイルを直接読み取り・編集・作成できる点です。
従来のChatGPTやClaudeチャットは、ファイルをアップロードして「解析してもらう」ことはできても、「直接編集してローカルに保存する」ことはできませんでした。CoworkはパソコンのフォルダへのアクセスをClaudeに許可することで、実際のファイル操作が可能になります。
ただし注意点があります。Coworkはクラウド上の仮想環境で動作するため、Googleドライブのようなクラウドストレージには直接アクセスできません。ファイルは事前にローカルフォルダにコピーしておく必要があります(これはClaude Codeと異なる制約です)。
プログラマでない人はこちらの方がとっつきやすい
Claude Codeはターミナル(コマンドライン)を使って操作するため、非エンジニアには敷居が高いツールです。一方Coworkは、Claude Desktopのアプリ画面上で日本語でそのまま指示を出すだけで動きます。
「このフォルダにある請求書画像を読み取って、Excelにまとめて」という自然な日本語の指示で、Claudeが自律的にタスクを分解・実行してくれます。ターミナルもプログラミングも不要です。
■ Claude Codeでやってみたことをそのままやってみた
前回の記事で、Claude Codeを使って請求書画像(JPG/PNG)30枚を自動処理し、集計表とキャッシュフロー表をExcelで出力する実験をご紹介しました。今回は同じ30枚の請求書画像を使って、Claude Coworkで同じ処理ができるか試してみました。
処理は(思ったより)早かった
Coworkはエージェント型処理のため「重くて遅い」という印象を持っていましたが、実際に試してみると思いのほかスムーズに処理が完了しました。
処理の流れとしては、フォルダへのアクセスを許可し、「請求書画像を読み取って発行請求書と受取請求書を区別しながら集計表とキャッシュフロー表をExcelで出力してください」と日本語で指示するだけ。Claudeが自律的にファイルを1枚ずつ読み取り、処理を進めてくれました。
驚きの事実〜Claude Codeの方の読み取りが間違っていた
処理が完了して集計表を確認すると、請求書の枚数と合計金額が合いません。不審に思い調べてみると、驚きの事実が判明しました。
Claude Codeで処理した際、一部の請求書について「発行請求書(自社が発行したもの)」と「受取請求書(取引先から受け取ったもの)」を誤って判別していたのです。一方、Claude Coworkで処理した結果は正確に区別できていました。
なぜCoworkの方が精度が高かったのか(考察)
明確な理由は特定できていませんが、以下のような違いがあるのではないかと考えています。(Claudeによる推測)
- Claude Codeはスクリプトを自動生成して一括処理するため、画像1枚あたりに割けるコンテキストが少なくなる可能性がある
- Coworkはエージェント型で1枚ずつ丁寧に処理するため、画像の内容をより深く読み取れる可能性がある
- Claude Codeはローカルで処理が走るのに対し、CoworkはクラウドのVMで動作するため、処理環境の違いが精度に影響している可能性もある
今回は単純な処理だったのでCoworkでよかったが…
今回の処理は「画像を読み取ってExcelにまとめる」という比較的シンプルな内容でした。この程度のタスクであればCoworkで十分対応できます。ただし、以下のような複雑な処理が必要な場合は、Claude Codeの方が適していると考えられます。
- 複数のスクリプトを組み合わせた複雑な処理フロー
- Googleドライブ上のファイルをそのまま処理したい場合
- 大量のデータを高速で一括処理したい場合
- 処理スクリプトを再利用・カスタマイズしながら継続的に使いたい場合
■ 結論
今回の実験を通じて、Claude CodeとClaude Coworkの特性の違いとして現時点の考えをまとめました。
| Claude Code が向いている場面 | Claude Cowork が向いている場面 |
|---|---|
| ・Googleドライブ上のファイルを直接処理 ・スクリプトを再利用して繰り返し使いたい ・複雑な処理フローが必要 ・大量データの高速一括処理 | ・ターミナル操作なしで手軽に始めたい ・精度重視の画像読み取り処理 ・非エンジニアでも使える環境を作りたい ・ローカルファイルの整理・加工・出力 |
中小企業のIT活用支援という観点から見ると、Coworkは非常に大きな可能性を持っています。ターミナルもプログラミングも不要で、「Excelは使えるけどITは苦手」という方でも使えるAIエージェントが登場したことの意義は大きいです。
一方で「速ければいい」わけではなく、今回の実験のように「精度」の差が生まれることも確認できました。目的や用途に応じてClaude Code・Coworkを使い分けることが、AIツール活用の賢いアプローチと言えるでしょう。
※本記事は2026年3月時点の情報に基づいています。機能や仕様は今後変更される可能性があります。


